SGT Rd.06 RACE REPORT

2008年8月22~24日 鈴鹿サーキット(三重県)

2008 AUTOBACS SUPER GT第6戦「37th International Pokka 1000km」の決勝レースが、8月24日、鈴鹿サーキット(三重県)で行われました。GT500クラスはNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)が優勝。GT300クラスはNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹/安田裕信組)が優勝を果たしました。
アークテックモータースポーツ110号車は、駆動系トラブルによりリタイヤとなりましたが、111号車は、予選19番手から確実な追い上げを見せ今シーズン最高位の8位でゴール、3ポイントを獲得することができました
入場者数 予選17,000人 : 決勝37,000人
参戦台数 42台/37エントラント
車種・メーカー 車両 13メーカー/19車種 : タイヤ 6 メーカー
放送 8月23日23:00~予選(J sports ESPN)(初回)
8月24日12:00~予勝(J sports Plus)
8月24日12:00~予選(モバHO!)
8月24日12:30~LIVE 中継(J sports Plus、モバHO!)
8月31日22:00~ /9月 3日19:00~(再放送)(BS 日テレ)
8月31日/9月 7日/9月14日
17:30~18:00 『激走!GT』(テレビ東京系列6局ネット)
パソコンテレビGyaO によるVOD 配信

エンジンブローやクラッシュなどと良いところがなかった第五戦菅生から茂木合同テストを経て約2週間、第六戦鈴鹿1000kmレースを迎えます。110号車のダメージは外装関係からシャーシにまでおよび、参戦が難しい状況となっていました。
これまでのシーズン前半、予選での速さを見せられつつあったもののファイナルでの結果を残せていないこともありチームは、後半の3戦を見据えた戦略を考えました。111号車は、レギュラードライバーに加え、第3ドライバーとしてポール・イップ選手が香港から来日し鈴鹿に挑みます。イップ選手はイギリスF3やカレラカップアジアの経験がありますが日本のレースは始めてとなります。

8月22日(金) 特別スポーツ走行1回目

曇り空ながら蒸し暑い鈴鹿サーキット。第37回インターナショナルポッカ1000kmの練習走行1回目が9時40分から予定どおり行われました。110号車は光貞選手が乗り込み、まずは修復後のマシンチェックを行います。111号車は黒澤選手からコースイン。最初はオーバーステアに悩ませられますが、車高やダンパーの調整を繰り返し、落ち着きを見せ始めます。開始から約40分、ヘアピンに出たオイル処理のため1回目の赤旗が提示されます。

25分間の赤旗中断後、小泉選手に交代しセットの確認を行い、第三ドライバーのポール・イップ選手へ、イップ選手はセッション終了まで走行を続けマシンとコースに慣れてもらいます。そして110号車はマシンチェックに終始し、このセッションを費やすことになりました。  GT300クラスは、No.2プリヴェKENZOアセット・紫電が2番手に1秒差をつけトップタイムをマーク。No.4 EBBRO UEMATSU 320Rが2番手。3番手にNo.26ユンケルパワー タイサン ポルシェとなります。そして今回がシェイクダウンとなる話題の初音ミク Studie GLAD BMW Z4は、セッション開始7分に初めてのコースインするものの長時間をピットで過ごし、イン・アウトを2~3度繰り返して、2分38秒959というタイムをマークしてこのセッションを終えています。GT500クラスは、NSXがトップ2、ウエイトの軽いカルソニックIMPUL GT-Rが3番手につけています

8月22日(金) 特別スポーツ走行2回目

午前よりは晴れ間が見える鈴鹿サーキット。スポーツ走行の2回目が14時10分から行われました。このセッションは15時55分までとなり、終盤の15分間ずつが各クラスの専有走行帯となります。

 110号車はこのセッションもマシンチェックに時間を費やします。111号車は小泉選手がNEWタイヤでコースインしますがクリアラップがとれずなかなかタイムが縮まってきません。途中、セットを小変更し2分11秒149をマークしたところでポール・イップ選手へ。その頃トップは、No.26ユンケルパワー タイサン ポルシェで2分9秒台です。イップ選手は、慣れないマシンと初めてのコースに格闘しています。しかも速いクルマに大きくラインを譲ってしまうため、タイヤカスを沢山拾ってしまいマシンの挙動が安定しません。

大きな課題を残しGT300クラスの専有時間になったところで黒澤選手に交代、3セット目のNEWタイヤでコースインしますがタイムアップならず、16番手でこのセッションを終了しました。終盤各車タイムを縮め、2分8秒527でNo.19ウェッズスポーツIS350がトップに。No.2プリヴェ KENZOアセット・紫電、No.46 MOLAレオパレス Zというトップ3になりました。

8月22日(金) 特別スポーツ走行3回目

通常のラウンドでは金曜日のスポーツ走行は2回行われますが、鈴鹿1000kmでは決勝のフィニッシュが日没後になるため、例年3回目のセッションが行なわれます。セッションは17時45分からスタート。チームは慣れないイップ選手にこのセッションを託します。走り初めに2分19秒台をマークしますが、その後スピンやコースアウトを繰り返し、結局デグナーカーブでマシンをストップさせてしまいます。危険な場所ではなかったためオフィシャルに救出されることなくこのセッションを終えました。このままでは明日の予選通過も厳しい状況です。そして110号車はマシンチェックのためこのセッションの走行をキャンセルしました。

GT300 クラスは、2回目のセッションに続きNo.19ウェッズスポーツIS350がトップタイムをマーク。No.4 EBBRO UEMATSU 320R、No.95ライトニングマックィーンapr MR-Sというトップ3になりました。

8月22日(金) 特別スポーツ走行総合結果

GT500
1 No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル・平中 克幸組) 1'55.470
2 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン・伊沢 拓也組) 1'55.918
3 No.12 カルソニック IMPUL GT-R(松田 次生・セバスチャン・フィリップ組) 1'56.487
GT300
1 No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋 一穂・加藤 寛規・吉本 大樹組) 2'07.411
2 No.19 ウェッズスポーツIS350(織戸 学・阿部 翼・関口 雄飛組) 2'08.369
3 No.4 EBBRO UEMATSU 320R(阪口 良平・松下 昌揮・植松 忠雄組) 2'08.411
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24 ベストラップ(光貞 秀俊選手) 2'13.096
17 ベストラップ(小泉 洋史選手) 2'11.149

8月23日(土) 公式予選1回目

この日の鈴鹿サーキットは朝から強い雨が降り路面は完全なウエット状態です。予選開始直前にほぼ雨は止みますが、午前9時50分からスタートした予選1回目はウエット宣言が出されています。111号車は黒澤選手がグリーンシグナルとともにコースイン。開始直後から2コーナーでNo.52 GREENTEC KUMHO IS350がコースアウトするなど、まだまだ路面はウエット状態の難しいコンディションです。110号車は光貞選手がマシンに乗り込み、ピットでタイミングをうかがいます。その状況の中、No.77クスコDUNLOPスバルインプレッサがAWDの利を活かしトップに立ちます。そしてNo.95ライトニングマックィーンapr MR-S、No.43 ARTA Garaiyaと続きます。開始から15分、ARTA Garaiyaはトップに浮上。

110号車はコースインするものの計測1周するに留まりピットへ、24番手のポジションとなります。111号車はレインタイヤのグリップ不足に悩み、開始早々にマークした2分30秒458がベストラップとなり17番のポジションでGT300クラスの専有走行を終えます。続く GT500クラスの走行が始まる頃には雨が小康状態となり、500クラスの専有が終わる頃には、レコードラインだけは路面コンディションが回復。そして混走が始まる頃にはほぼ雨は止み、111号車は小泉選手が乗り込み混走セッション開始となります。開始7分後、No.77クスコDUNLOPスバルインプレッサが2分22秒432でトップに浮上。小泉選手はなかなかタイムが縮まらず予選通過基準タイムが微妙なラインです。そして混走終了4分前に2分30秒195をマークしピットに戻ってきます。

110号車はピットに納まったままセッションを終了することになりました。GT300クラスは No.77クスコDUNLOPスバルインプレッサ、No.43 ARTA Garaiya、No.95ライトニングマックィーンapr MR-Sというトップ3です。今回第3ドライバーとなった111号車のポール選手は結局一度も走行することは出来ず、予選2回目に107%の基準タイムをクリアしなければなりません。午後の天候がとても気になるところです。

8月23日(土) 公式予選2回目

予選2回目は14時40分が開始予定時刻となっていましたが、昼過ぎから雨が強くなりコース上には川ができています。13時50分から始まったF4ではレース途中でスピン・クラッシュが続出し、セーフティカーランから赤旗終了となります。これもあり予選2回目のスケジュールはディレイ。15時15分までは走行は行なわれないことになりました。基準タイムをクリアしていないポール選手は雨が大の苦手だそうです。こわばった表情でピットロードから上空を見つめています。その後、何度かディレイの場内アナウスが入りスケジュールは順延。結局天候の回復が見込めないとの判断により予選2回目はキャンセルとなりました。そして待ちわびたファン向けにチーム監督の握手会が行なわれました。
 その後、No.27石松・FUNKY'S・HANKOOK GT3に競技車両違反が見つかりベストラップ抹消。No.88 triple a ガイヤルドRG-3が基準タイム不足により予選不通過となるなど、暫定結果が何度も発行され正式結果が発表されたのは18時40分でした。110号車も基準タイムをクリアしていませんが、シード権車両のため明日の決勝は最後尾グリッドから出走することが可能となっています。

8月23日(土) 第六戦 公式予選正式結果

GT500
1 No.18 TAKATA 童夢 NSX
2 No.35 宝山 KRAFT SC430
3 No.38 ZENT CERUMO SC430
GT300
1 No.43 ARTA Garaiya
2 No.81 ダイシンADVAN Z
3 No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-S
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16 ARKTECH BOXSTER-GT

8月24日(日) フリー走行

降り続いた雨は朝方には止み、フリー走行開始の1時間前には晴れ間も見えはじめました。昨日の予選2回目が中止になったためフリー走行は10分間延長されることになり、8時30分からスタートとなります。110号車の両ドライバーと111号車のポール選手はこのフリー走行で107%ルールをクリアしなければなりません。晴れ間は見えるものの昨日の雨により路面はまだハーフウエット状態です。

111号車は黒澤選手が決勝セットの確認のため4ラップ程周回し第3ドライバーのポール選手へ。この頃には路面コンディションも好転し浅溝からスリックタイヤに交換するマシンも見えはじめます。コンディションが急速に回復していくのかポジションが大きく変動し、トップタイムも更新され続ける状況で基準タイムもどんどん上がっていきます。110号車の二人は、16秒台と17秒台で安全圏となりますが、ポール選手に代わったセッション開始約20分後 No.17 REAL NSXのクラッシュにより赤旗中断となってしまい走行を続けられません。そしてセッション再開後21秒台をマークするもコースアウト。

一旦ピットに戻り再びコースインするがタイムアップならず基準タイムをクリアできないまま終了とってしまいます。チームは嘆願書を競技長に提出しますが、コースアウトの回数や基準タイムに大きく到達していないことなどからポール選手の決勝出走は認めてもらうことができませんでした。GT300クラスはNo.19ウェッズスポーツIS350がトップタイム。ポールポジションからスタートするNo.77クスコDUNLOPスバルインプレッサは10番手というタイムになりました。

8月23日(土) 公式予選2回目

迎えた決勝レースは、1000kmのロングディスタンスということでいつもより1時間早い12時5分からスタート進行が始まります。予定通りウォームアップ走行が開始となり各車コースイン。その中GT500クラスランキング首位のNo.18 TAKATA童夢NSXが130Rでコースアウト。ピットに戻って緊急作業となります。グリッドに全車が整列した後 には、500クラス10番手からスタートのNo.100 RAYBRIG NSXがピットに戻されます。シーズン中のシャーシ交換により元々ピットスタートが決まっていたNo.38 ZENT CERUMO SC430を含め3台のGT500クラスマシンがピットスタートになるというスタート前から波乱含みの展開です。アークテックチームは、110号車が光貞選手、111号車が黒澤選手というスタートドライバーです。いずれも燃費の関係から4ピット、5スティントの作戦を予定しています。

オープニングラップは、1000kmレースだけに大きな混乱はなくスタート。GT300クラスも、ポールスタートのNo.77クス コDUNLOPスバルインプレッサが逃げ、2番手のNo.43 ARTA Garaiyaが後続を抑えて連なる展開となります。19番手スタートの111号車は、オープニングラップでNo.5プロμ マッハ号 320Rをパスし順位を上げます。そして3周目のスプーンコーナーでNo.87アクティオガイヤルドRG-3を抜きにかかったところ接触、ハーフスピンを喫してしまいます。このアクシデントで右側のカナードを飛ばしてしまい、最下位までポジションを下げることになってしまいます。その頃、110号車もペースを上げられないばかりか駆動系にトラブルを抱え4周目にピットイン。ピットクルーが慌ただしくマシンチェックを行っているなか111号車はアクシデントをものともせず12~13秒台のペースで順調に周回を重ねポジションを回復していきます。しかし110号車はそのままリタイヤとなってしまいます。

その頃GT300クラスは、1周に1台というハイペースで前車をパスしてきたNo.26ユンケルパワー タイサン ポルシェが9周目にトップまで浮上。No.2プリヴェKENZOアセット・紫電やNo.95ライトニングマッ クィーンapr MR-Sが上位を争う展開となります。気温はそれほど高くなかった今年の決勝レースでしたが20周目を過ぎたあたりから徐々にペースが下がってきます。当初は33~35周でドライバー交代と給油を行う予定でしたが30周目にピットイン、小泉選手に交代し給油を済ませコースへ復帰させます。小泉選手も14~15秒台のペースで周回を重ね、レースが250kmを消化した時点の順位は16番手となります。トップはNo.2プリヴェKENZOアセット・紫電、15番手からスタートしたNo.65 WILLCOM ADVAN VEMAC 408Rが2番手、No.26ユンケルパワー タイサン ポルシェというトップ3です。

小泉選手は序盤のペースこそ悪くなかったものの50周を過ぎたあたりからペースが鈍り、62周目に2度目のルーティンを行い、再び黒澤選手にバトンタッチ。レースも中盤になってくるとコースが汚れてくるせいなのか、トップグループが3ピット作戦なのか、それほどハイペースではなくなり、黒澤選手のラップタイムもトップグループと遜色ないペースでの周回となります。折り返し地点、500kmの途中経過は、トップが変わらず紫電、2番手がユンケルポルシェ、3番手にはセブンが上がってきています。111号車はこの時点で13番手となり悪くないポジションです。そして中盤以降までトップを走っていた紫電は、吉本選手から髙橋選手に交代した後の91周目、ヘアピンでNo.66 triple aムルシェRG -1と交錯しグラベルにストップしてしまいます。これでトップに立ったのは、3ピット作戦のロングスティントで堅実に追い上げていたNo.46 MOLAレオパレス Zとなります。

111号車は85周目に3度目のルーティンを行い小泉選手へ。チームは早めのピットストップで周回数を減らし、ペースを上げていった方が上位を狙えると確信。5ピット作戦へ変更します。108周目に4回目のルーティンを行い黒澤選手へ交代、レースが750kmを消化した時点で10番手までポジションアップに成功。この時点での周回数は116周となります。そして太陽も傾き、時刻は18時を廻りライトオンのサインが出されます。ところが111号車は左側のヘッドライトが点灯しません。今回はナイトランのためにフォグランプを装着しており、こちらは問題なく点灯しています。オフィシャルから指摘が入るものの幸いピットインの指示をもらうことなく走行を続けることができました。

そして131周目、最後のピットインを行います。ドライバー交代は行わず、タイヤ交換と給油のみを行います。黒澤選手にとっては厳しいスティントとなりましたが、ここはがんばってもらうしかありません。背後からはNO.27石松・FUNKY'S・HANKOOK GT3が迫ってきています。GT500クラスのトップが残り7ラップとなったところで、前を行くNo.11 JIMCENTER ADVAN F430がS字でコースアウトしグラベルにはまっている映像が映し出されますが、フェラーリとは2ラップ差があり、同一周回ではなかったためポジションアップとはなりませんでした。そして鈴鹿1000kmレースならではの感動のチェッカーとなります。

チェッカーフラッグ後、美しい花火が打ち上げられ伝統の鈴鹿1000kmは幕を閉じました。111号車は8位でフィニッシュ。今期の予選ワーストグリッドから最高位となるベストリザルトです。GT300クラスはNo.46 MOLAレオパレス Zが今季初優勝となり、2番手に同じミシュランタイヤを装着するNo.95ライトニングマックィーンapr MR-S、3番手にNo.7 ORC雨宮SGC-7というトップ3になりました。

スーパーGT 第6戦正式結果

GT500
1 No.12 カルソニック IMPUL GT-R
2 No.100 RAYBRIG NSX
3 No.36 PETRONAS TOM'S SC430
GT300
1 No.46 MOLAレオパレス Z
2 No.95 ライトニングマックィーンapr MR-S
3 No.7  ORC雨宮SGC-Ⅶ
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No.110 KUMHO BOXSTER-GT(リタイヤ)
No.111  ARKTECH BOXSTER-GT(8位)