SGT Rd.07 RACE REPORT

2008年9月12~14日 ツインリンク茂木(栃木県)

2008 AUTOBACS SUPER GT第7戦「MOTEGI GT 300km」の決勝レースが、9月14日、ツインリンクもてぎ(栃木県)で行われました。GT500クラスはNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ/横溝直輝組)がポールポジションからスタートし見事優勝。GT300クラスはNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/阿部翼組)が、なんと最後尾からスタートし驚異の逆転優勝を果たしました。  アークテックモータースポーツ110号車は、予選5番手からスタートし5位でフィニッシュ、周回数でのポイントを含め合計9ポイントを獲得。111号車は、予選11番手からスタートし19位でゴール、貴重な完走ポイントを得ることができました。
入場者数 予選14,000人 : 決勝39,000人
参戦台数 42台/36エントラント
車種・メーカー 車両 12メーカー/18車種 : タイヤ 6 メーカー
放送 9月13日23:00~予選(J sports ESPN)(初回)
9月14日13:00~予勝(J sports Plus)
9月14日13:00~予選(モバHO!)
9月14日13:30~LIVE 中継(J sports Plus、モバHO!)
9月21日22:00~ /9月24日19:00~(再放送)(BS 日テレ)
9月21日/9月 28日
10月 5日 17:30~18:00 『激走!GT』(テレビ東京系列6局ネット)
パソコンテレビGyaO によるVOD 配信

昨年もまずまずの結果を残せたツインリンク茂木。ストップ&ゴーが繰り返されるこのコースは、トラクション性能に優れるRRポルシェに有利なコースといわれています。110号車は第6戦鈴鹿後の救済措置の適用によりウエイトを降ろすことができます。しかし、コーナー脱出速度を重視するため、逆にウエイトを積み、大径のリストリクターで相殺、エンジン出力を重視した仕様で戦います。その分コーナー進入でブレーキへの負担が増しますが、ダクトの増設やローターへのスリット加工を増やし対処。必勝体制で望みます。111号車も同様にブレーキ冷却のため同様の装備を追加し、鈴鹿からの良い流れを後半戦に続け、波にのりたいところです。

9月12日(金) 特別スポーツ練習走行1

前夜の雨が上がり朝からすっきりと晴れ渡ったツインリンクもてぎ。午前9時から練習走行1回目が始まります。コースはほぼ乾いているものの、ところどころに水が残っているためレインタイヤを装着しているマシンもあります。110号車は池田選手、111号車黒澤選手ともにドライタイヤでコースの状況とマシンチェックをしながらピットに戻ってきます。今回110号車は新しい方向性のセットにトライ。マシンの姿勢変化を抑え、空力特性をより引き出すセッティングがなされています。ところが111号車は、ラヂエータに水漏れのトラブルが見つかりピットイン。修復作業となってしまいます。

 そしてセッションが始まって15分後に赤旗が提示されます。鈴鹿でデビューとなったNo.808初音ミク Studie GLAD BMW Z4にオイル漏れが見つかり、4コーナーから130Rにかけてオイルを撒いてしまったようです。赤旗は9時35分に解除されます。中断中に110号車はダンパー、車高などを微調整しセットアップ開始。そして今回のために数種類用意されたタイヤテストも行います。111号車も修復を終え黒澤選手がセットアップを始めます。マシンバランスも良好なようで4ラップ目で1分58秒702をマーク、13番手前後のポジションとなります。

 開始63分、2回目の赤旗が提示されます。今度はS字コーナー立ち上がりでNo.33 HANKOOK PORSCHEがストップ。コースサイドに横向きの状態で止まっています。右リヤホイール破損によりこの部品が散乱してしまったためです。そして10時27分にセッション再開。この後111号車は小泉選手に交代し走行を続けますが最終コーナーでコースアウトした際にタイロッドが折れ走行不能となってしまい、そのままセッション終了となります。110号車の新しいセットは好感触のようでタイヤテストを行いつつも1分56秒429をマークし2番手のタイムとなります。しかしトップのNo.19ウェッズスポーツIS350は、55秒台前半で1秒以上リードしています。午後の専有走行2回目は14時からスタートする予定。

9月12日(金) 特別スポーツ練習走行2

午前中に続き絶好のコンディションに恵まれたツインリンクもてぎ。夏が戻ってきた陽気の中、10分遅れの14時10分から午後のセッションがスタートしました。110号車は予選、決勝セットのメニューを淡々とこなしていきます。111号車も決勝用ブレーキパッドの焼きいれなど最終調整を行いました。

 午後のセッションは混走時間帯まで大きなアクシデントもなく消化されていきます。そしてGT300クラスの専有走行帯となったところで赤旗中断。再開後、111号車は黒澤選手がNewタイヤでコースインし1分57秒879で10番手のポジション。結局トップは序盤から好タイムを刻み続けたNo.19ウェッズスポーツIS350。2番手に110号車と、午前と同じ顔ぶれになり、3番手には昨年のもてぎウイナーNo.26ユンケルパワー タイサン ポルシェが上がってきています。明日の予選1回目は10時20分から、午後の予選2回目は、ノックダウン方式が採用され決勝グリッドが決まる予定となっています。

9月13日(土) 公式予選1回目

昨日に続き快晴に恵まれたツインリンクもてぎ。今回の予選は、通常とはことなり予選2回目がノックダウン方式を採用しています。午前に行われる予選1回目は純粋に各ドライバーが予選通過基準タイムをクリアするためのセッ ションとなります。

 10時20分、GT300クラスの専有走行がスタート。110号車は光貞選手、111号車は黒澤選手がコースインしていきます。2台とも昨日の練習走行で十分なセットアップができたせいか開始から約12分、計測3ラップ目で1分55秒710(110号車)、1分57秒406(111号車)のベストラップをマークし、ピットイン。110号車は池田選手、111号車は小泉選手にドライバー交代を行います。この時点でタイミングボードの2番目に110号車、8番目に111号車のゼッケンが表示されます。そしてトップは、昨日から絶好調のNo.19ウェッズ スポーツIS350。昨日コースオフを喫したNo.33 HANKOOK PORSCHEが3番手。

No.66 DGRQムルシェRG-1が4番手に続き、5番手にNo.26ユンケルパワー タイサン ポルシェとなります。後半、両ドライバーとも予想基準タイムを余裕でクリアし専有走行セッション終了。今回はスーパーラップではないため、混走でもトップ10以上を 狙うセカンドアタックはなく、GT300クラスではほとんど順位の変動はありませんでした。

 予選1回目でGT300クラスのトップタイムをマークしていたNo.19ウェッズスポーツIS350は、終了後の再車検で車両規則違反が発覚、予選1回目のタイム抹消となり、110号車が予選1回目の暫定トップとなりました。111号車は最終的に13番手のポジションで午前のセッションを終えています。

9月13日(土) 公式予選2回目(ノックダウン方式)

ノックダウン予選とは、F1ではおなじみの生き残り方式。GT300クラスの場合、セッション1のタイムで上位20台がセッション2へ進み、セッション2の上位10台が最終ステージでグリッドポジションを争います。このノックダウン予選で使用できるタイヤは1セットのみ。そしてA・B両ドライバーが最低1つのステージを走ることがルールとされており、予め各ステージで走るドライバーを申告しなければならず、ドライバーの選出も重要なポイントとなります。昨年も好評だったこの予選方式を見るためスタンドにはたくさんのファンが詰めかけています。

▼セッション1
14時50分、GT300クラスからスタートしたセッション1。110号車池田選手は開始早々にコースイン。111号車黒澤選手はピットで待機し14時55分になってコースイン。タイヤライフを考えるとアタックラップは計測2~3周目としたいところです。黒澤選手は、計測3周目に1分57秒190をマークしピットに戻ってきます。開始から8分、トップはNo.19ウェッズスポーツIS350、No.66ムルシェ、No.52 IS350と続きます。110号車池田選手はエンジンに息継ぎが見られ、予定よりも余計に周回し4周目にベストラップをマーク、見事2番手に滑り込んできます。111号車も8番手のポジションです。一方、セッション2に進むことができなかったのはNo.95ライトニングマックィーンapr MR-S、No.70 GAIKOKUYA・ADVAN GT3-RS、No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-S、No.666楽天 BOMEX 320Rとなりました。

▼セッション2
GT500クラスのセッション1と7分間のインターバルを挟み、セッション2が14時27分から開始。110号車は池田選手に変わり、光貞選手がアタック。さすがのベテランだけあって計測1周目に1分56秒580をマークしピットイン。ライバルの様子を伺います。111号車は引き続き黒澤選手がアタック。計測3周目に1分56秒789をマーク、このレースウイーク中初の56秒台です。その時点でポジションは9番手と微妙なところですが、タイヤライフを考えるとアックを継続するわけにもいきません。その後熾烈な中団グループの争いが展開され、次々とタイムが塗り替えられていき、結局11番手。111号車はセッション2でノックダウンとなってしまいました。しかし11番手は今シーズンの予選ではベストグリッドです。

▼セッション3
15時54分、いよいよポールポジションを決定するセッション3がスタート。光貞選手がラストアタックを勤めます。計測1周目、1分56秒504で2番手、トップは黒澤治樹選手が駆るNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R。しかし、セクター1でベストを出してきた加藤選手のNo.2プリヴェKENZOアセット・紫電がそれを塗り替え3番手に後退。計測2周目、1分56秒187で4番手、計測3周目からタイムが落ち始め、ラップタイムを更新できません。そして残り 2分というところで、谷口選手のNo.26ユンケルパワー タイサン ポルシェが1分55秒739をマークしトップに浮上。2番手は僅差でNo.2紫電、3番手にNo.62 WILLCOM VEMAC、4番手には終盤に飛び込んできたNo.77クスコDUNLOPスバルインプレッサが入り、5番手に110号車となりました。最前列とはいきませんでしたが3列目のポジションから明日の決勝レースがスタートします。

9月13日(土) 公式予選正式結果

GT500
1 No.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R (R.クインタレッリ/横溝直輝組)
2 No.1 ARTA NSX (R.ファーマン/伊沢拓也組)
3 No26 ユンケルパワー タイサン ポルシェ (谷口信輝/山路慎一組)
GT300
1 No26 ユンケルパワー タイサン ポルシェ (谷口信輝/山路慎一組)
2 No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電 (高橋一穂/加藤寛規組)
3 No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R (柴原眞介/黒澤治樹組)
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No.110 KUMHO BOXSTER-GT 予選5位
No.111 ARKTECH BOXSTER-GT 予選11位

9月14日(日)フリー走行

朝から曇り空となったツインリンクもてぎ。心配された雨もなく9時45分からフリー走行が行われました。昨日110号車のエンジンに見られた息継ぎは燃料ポンプが原因とわかり既に対策済み。そして決勝タイヤのライフを向上させるためリアタイヤに優しいセッティングを施します。  走り出しから好調なのはペナルティにより最後尾スタートとなったNo.19ウェッズスポーツIS350。ベストタイムも2番手に続いたNo.26ユンケルパワー タイサン ポルシェを0.8秒近く引き離しています。3番手にNo.33 HANKOOK PORSCHE。4番手に110号車となり、やはりもてぎはポルシェに有利なコースレイアウトとなっているようです。決勝レースは14時にフォーメーションラップが開始される予定。

9月14日(日)決勝

蒸し暑い午後となった決勝日のツインリンクもてぎ。今回のスタートドライバーは、110号車が光貞選手、111号車が黒澤選手というおきまりのオーダー。戦略的にも目立ったところはなく30周前後でルーティンピットを行う予定となっています。決勝レースは予定どおり14時からフォーメーションラップがスタート。しかし、GT500クラスのNo.100 RAYBRIG NSX、GT300クラスのNo.33 HANKOOK PORSCHEがダミーグリッドから動くことができません。HANKOOK PORSCHEはオフィシャルに押されてスタートしたが、RAYBRIG NSXはピットに戻されるという波乱の予感。迎えたオープニングラップでは、GT500、 GT300クラスとも大きな混乱もなくスタートが切られます。

110号車光貞選手はこのオープニングラップでNo.77クスコDUNLOPスバルインプレッサをパスし4番手でコントロールラインを通過。3周目の3コーナーでNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408Rと交錯。VEMACはスピンを喫してしまい、その間にNo.77インプレッサに先行されてしまいます。その後は57秒台の安定したラップで周回を重ね、14周目には再びインプレッサを捕らえ3番手に浮上します。

その頃111号車黒澤選手は、No.62 VEMACのスピンなどにより9番手までポジションアップとなりますが、10周を過ぎたあたりからタイヤの消耗が激しくペースを維持できません。そして後方からはNo.33 HANKOOK PORSCHEとNo.19ウェッズスポーツIS350の2台が猛烈な勢いで追い上げてきます。13周目にはこの2台にパスされ、11番手に後退してしまいます。その後もタイヤのタレに苦しみコースに留まるのが精一杯の状況。チームはルーティンを早める決断をし、26周目にドライバー交代を行いました。

光貞選手はその後も58秒台の安定したペースを重ね、3番手をキープしていますが29周目に突入したところで大きなミスを犯してしまいます。ヒートストレス対策で装備しているクーリングのスイッチとピットロードリミッターのスイッチを押し間違えてしまったのです。当然マシンはスローダウン。場内放送でも「110ボクスターがスローダウン!」のアナウスが入りクルーは騒然とします。この間にNo.66 triple aムルシェRG-1、No.77インプレッサに抜かれてしまいます。当の光貞選手も何が起こったかしばらくわからなかった模様。そして110号車は予定より早くピットに滑り込んできます。池田選手に交代し、タイヤ交換と給油を済ませ何事も無かったかのようにコースへ復帰していきます。

以降、各車ルーティンのピットを終えると、首位にはNo.2プリヴェKENZOアセット・紫電、2番手にNo.26ユンケルパワー タイサン ポルシェ、そして僅差でNo.66 triple aムルシェRG-1、No.19ウェッズスポーツIS350と続く展開となります。110号車は5番手までポジションを回復。その後、ウェッズスポーツIS350は52周目のヘアピンで紫電をパスし首位に浮上。池田選手も追撃の手を緩めずプッシュし最後まで安定したペースを維持しますが一歩及ばず、5位でフィニッシュとなりました。

 111号車小泉選手は30周以上を周回することになり、ドライバーへの負担とタイヤの消耗が心配されましたが、最後まで粘りの走りを見せくれ無事19位で完走となりました。

スーパーGT 第7戦正式結果

GT500
1 No.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R (R.クインタレッリ/横溝直輝組)
2 No.1 ARTA NSX (R.ファーマン/伊沢拓也組)
3 No.36 PETRONAS TOM'S SC430 (脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー組)
GT300
1   No.19 ウェッズスポーツIS350 (織戸 学/阿部 翼組)
2 No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電 (高橋一穂/加藤寛規組)
3 No.66 triple aムルシェRG-1(山西 康司/余郷 敦組)
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No.110 KUMHO BOXSTER-GT(5位)
No.111 ARKTECH BOXSTER-GT(19位)